head.jpg

2009年07月10日

火車を読んでいたら火の車になりそう

kasya.jpg宮部みゆきの長編推理小説「火車」を読了しました。推理小説でありながら社会・経済小説でもあります。かなり面白いストーリー展開に酔わせていただきました。小説を読んだのは20年ぶりくらいでしょうか。推理小説に絞っていえば30年ぶりといったところです。なぜ、異種の小説というジャンルを読んだかというとかつての読書を少々反省しているからです。

今までの本は「筋(ストーリー)」を追うという行為がありませんでした。レバレッジリーディングなどはその対極にあるようなもの。アンダーラインを引き効率的にエッセンスを拾い上げて食い散らかす。底流にあるものを感じ取ることもなく量をこなす。このような行為への一種のレジスタンスなのかもしれません。

直接の原因は本嫌いの長男君がヨメさんにだまされて読んだところ「面白い!」と評価したこと。本嫌いが面白いと言うなら、さぞかし面白いだろうと思ったわけです。そうしたら予想は的中しました。ドドキドキワクワクです。

火車は11年ほど前に書かれています。時代背景はそれなりに古く、当時話題になっていたサラ金地獄が描かれています。小説もその時代背景は非常に大事でストーリー展開に大きな影響を与えます。現在を描くなら格差社会問題などでしょうか。そのような背景をもつ推理小説というのは奥行きが深いものです。

この小説は推理の王道である点がだんだんと結ばれていき線になるというプロセスが見事なタッチで描かれています。過去を抹消するプロセスなどは名作「砂の器」を彷彿とさせるものがあります。

サラ金地獄から逃れるために別人になりすまして過去の自分と決別しようとする美人女性。彼女を論理的に追い詰めていくのは休職中の刑事。追い詰めきったラストがまた切ない。カード社会の被害者は誰かを考えさせる一冊でもあります。

さて、コンサルの仕事のほうも大型案件が転がり込んできていきなり「火の車」になりそうな勢いです。外野で成り行きを眺めているほうは気楽で面白いかもしれませんが、渦中の私は多重債務者の心境になりつつあります。
posted by orataki at 22:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも拝読しています。
やっと読み終えてブログの記事にしました。
有難うございました。
Posted by 長屋のご隠居 at 2009年07月30日 02:21
** 長屋のご隠居さま
お立ち寄りいただきありがとうございます。ブログも拝見しました。そちらのほうへコメント差し上げたいと思います。
Posted by orataki at 2009年07月30日 06:28
コメントを書く
お名前:

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/123235066
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。