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2009年08月07日

前提条件はきっちりと

カンブリア宮殿で「正直経営」のオーケー・ストアが紹介されていました。自社に不利な情報もあえてお客様のために提供する姿勢に感銘を受けます。「このフルーツはおいしくありません、甘くありません」などとPOPに書くことは勇気のいることだと思います。別に黙っていても何も問われることがありません。しかしこの愚直さが熱烈なファンを作り出すといいます。

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今回の景気後退を経て年輪経営、正直経営といったような地味だけれど着実な日本らしい経営が志向されてきているのではないでしょうか。その一方でこの本に紹介されている生保業界はどうなのでしょうか。生命保険はいざというとき有難い商品であるし、安心を提供するものでもあるのですが、その利益構造はいびつで甘い汁を吸われ続けている人々によって支えられています。正直な経営というか、正直な営業と呼べるものではなさそうです。

ホンダの社員はホンダ車に乗りますし、日立の社員は日立の家電を使うでしょうし、麒麟麦酒の社員は自社のビールを飲むでしょう。しかし、生命保険の社員で自社の保険に入っている人は少ない(特に幹部は)といいます。それだけボッタクリ要素が大きいのでしょう。私が昔、勧誘されたときのセールスレディの説明は妻子が路頭に迷わない額の保険にはいりましょうというものでした。

これは遺族年金や妻が働くということを一切考慮していません。持ち家かどうかというような資産状況も考慮されていなかったと思います。つまり、シミュレーションの前提がいい加減で都合のいいように設定されているのです。この前提条件をいかに悟られないようにするのが営業のウデというところでしょうか。客をうまく思考停止に誘導することができる人が評価されるようでは世も末です。

しかしながら、ふと自分の仕事を振り返ってみるとどうなのか。冷や汗をかくことになります。提案の時にはその企業のことを熟知しているわけではないので想定を膨らませてある程度、「夢のある提案」を作り上げます。しかし、リスクヘッジするためにいろいろ前提条件を入れるわけです。経験的には描かれた「夢」や「理想の姿」を見るとあまり前提条件に踏み込むことはしないと思います。

前提条件が容易にクリアできるもの、あるいは覚悟して決断すれば済むものであれば問題ありませんが、クリアが難しい場合、間違いなく夢で終わるわけです。ITがらみの場合はその前提が容易かどうかもよくわからない場合があります。

しかし、善意のビジネスをするのであればそのような前提をいれるべきではないですね。前提条件もクリアできるコンサルまで含めないとこれからは乗り切れないのではないかと思う今日この頃です。
posted by orataki at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル技法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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