昨年は企業にとって情報収集の年だったかと思います。そして今年、予算を確保してプロジェクト発足というところが非常に多くなってきたと実感しています。これは大きなビジネスチャンスでもあるわけですが落とし穴もあるので注意していきたいところです。
IFRS対応を検討する企業はコンサルティング会社やSIerにRFIを求めてきます。つまり、どんな提案が出来るか出してきてほしいと依頼するわけです。IFRSというのは新たなコンサルですので実績のあるところはありません。したがって、依頼する側は多くのベンダー・コンサルティング会社に声を掛けてきます。最終的にはコンペになります。
各社はそれぞれ提案を持ってくるわけですが、実はこの提案というのは地下茎のように根っこのところで繋がっているのです。どういうことかというと、IFRS対応というのは単純ではなくて監査法人と会計コンサルティング会社とSIベンダーがうまく連携してやっていかなければいけないということです。1社が全てをカバーできるわけもないので、アライアンスを組みます。実力のある会計コンサルティング会社(個人もありですが)は複数のSIerとアライアンスを組むわけです。
するとどうなるかというと、多くのベンダーに声を掛けるとアライアンス先がバッティングする事態が多々出てくる可能性があるのです。供給側のキャパは限られているので時間が経てば経つほど連携の糸が複雑に絡み合うことになります。今、私はこの整理で悩まされています。
「餅は餅屋」でやらせるという切り分けを明確にした提案が一番有効だと思います。あまりオールマイティにできますといってはいけないビジネスなんだと思います。個人のプロコンと同じように「何でも出来ますは何にも出来ないに等しい」と肝に銘じなくてはと思っている次第です。